シンポジウム「地球温暖化を防ぐ法律を実現しよう」を開催しました

イベント開催日

2010-11-24

12月3日ともいわれる会期末が迫る中、3月に続き再び10月8日に閣議決定された地球温暖化対策基本法案ですが、いまだ国会での審議には掛けられていません(11月29日現在)。
そんな中、法案の修正と成立を願うMAKE the RULEキャンペーンが、参議院議員会館でシンポジウムを行いました。

冒頭あいさつを予定していた松本環境大臣は公務のため出席されず、樋高環境大臣政務官から以下のような挨拶をいただきました。
●樋高剛環境大臣政務官
基本法案は日本の温暖化対策の方向性を国内外に示すもの。12年以降はもちろん、将来を考えても、必ず成立させなければならない。日本が国際社会での手本となるためにも党派を超えてなんとしても実現させたい。
それに対し、シロベエ実行委員長からMAKE the RULEキャンペーンの2年間の活動をまとめたブックレットを贈呈し、激励とともに成立に向けて更なるご活躍をお願いしました。
MAKE the RULEキャンペーンの法案委員長を務める気候ネットワークの浅岡さんからは、以下の3つの理由で今国会での成立をお願いしたいとの発言がありました。
(1)国際社会からの注目に応えてほしい
(2)自主的ではなく、実質的な削減を進めるために3つの制度(排出量取引、再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度、炭素税)を担保してほしい
(3)経済戦略としてしっかり位置づけることで、今の日本の停滞を動かしてほしい

その後ご出席いただいた各議員から、以下のようなコメントをいただき、温暖化政策に対する各党の方針を伺いました。(順不同)
公明党 江田康幸衆議院議員
私は公明党が提出している「気候変動対策推進基本法案」の提出者の一人でもあり、COP13(バリ会議)のときは環境副大臣だった。鳩山前首相(民主党)が2009年国連総会で2020年25%削減(1990年比)を宣言したことは、公明党案とも一致する内容であり評価している。温室効果ガスの排出量を規制する基本法は、日本に必要だと考えており、審議を通して実効性あるものが成立することを望む。ただ中長期目標にかかる前提条件があること、さらに2度目標が抜けていることなどもあり、このままでは政府の「基本法案」には賛成できない。よりよい法案にするため十分な時間と審議が必要である。

民主党 田島一成衆議院議員(メッセージ)
左記の国会に引き続き「地球温暖化対策基本法案」を提出し、主要3施策の検討も政府で進めている。立法府として後押ししていきたい。審議日程は難しいところがあるが、丁寧に相談し、早期かつしっかりと議論したい。国際交渉は依然厳しいが、cop10で2つの議定書等が合意できた明るい流れを温暖化の国際交渉にもつなげたい。

日本共産党 笠井亮衆議院議員
党の地球環境問題チームの責任者も務めているし、MAKE the RULEキャンペーンとはキックオフ以来のお付き合い。COP15から1年たったが温暖化の影響も大きく感じた1年だった。世界全体で排出削減に合意する必要性が高まっている。日本も2013年以降の削減に向けて、低炭素社会に向けて舵をきらなければならない。国際交渉においては、日本の役割として途上国への参加を呼び掛けないといけないし、そのためには国内でよい法律を作るべき。国内対策として実効性のある仕組みをつくり、リーダーシップを果たしてもらいたい。明確な法的拘束力がないと取り組みが進まないことは明らか。こうした点を改善しつつ、基本法案をしっかり成立させるべき。政治決断が求められている。

自由民主党 川口順子参議院議員
COP6(オランダ・ハーグ)に環境庁長官/大臣として関わってから10年。あの時の苦労を考えると、先般名古屋で開催された国連生物多様性会議(CBD-COP10)を議長としてまとめた現松本環境大臣のリーダーシップに期待したい。自民党は昨年来「低炭素社会づくり推進基本法案」を提出し、随時勉強会もすすめてきた。会期末が迫る中、衆議院で議論しても参議院を通るのか心配している。基準年については現時点に近づけていかないと、インドや中国などの新興国の実態が反映されない。日本国内では低炭素社会をつくるという発想が必要。国家戦略の1つとして位置付けるべきだろう。

社会民主党 福島みずほ参議院議員
温暖化には長く関わってきたこともあり思い入れがある。鳩山前首相が国連で25%削減を宣言したときは当時閣内におり、その際実効性と原子力発電所の扱いについて、官房室と社民党とで多くの議論をした。これからもよりよい方向性に向けて一緒にやっていきたいと思っている。再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度、排出量取引、炭素税についてはずっと言っていること。自然エネルギー議連の一員としても、これからも温暖化対策の前進のためにまい進していきたい。

その後、シンポジウムにご参加いただいた各議員の方から、コメントをいただきました。
民主党 橋本勉衆議院議員
現在政府の中でも排出量取引制度などの話し合いが進んでいる。問題はいろいろあると思うが、皆さまからのご意見をいただきながら、日本のために必要なことをしっかり話し合っていきたいと思っている。

民主党 山崎誠衆議院議員
産業界など基本法案に対する反対勢力の声ばかり耳にするが、ぜひ皆さんのような市民活動の方々も声を大きく頑張って張り上げていただきたい。目先の景気も厳しいが、今が正念場。基本法案成立に向けて、ぜひお力添えをいただきたい。

民主党 石田光示衆議院議員
基本法案を成立させ、一歩進めていくことが今のマイナス経済を変えることにもなる。日本の経済を変えるのだ、という思いにまで結び付けたいと思っています。

民主党 くしぶち万里衆議院議員
基本法案の状況は厳しいものがあるが、政治の意思をしっかり示すことが重要。やる意義、価値を踏みしめ、政治の意思をしっかりと示していきたい。

また、シンポジウムには全国各地からたくさんの地域で活動する実行委員団体や賛同団体の方が出席しました。基本法案の今国会での成立が難しいと、多くの議員の方が述べる中、地方での実情を交えてメッセージを送りました。(参加団体のウェブページのリンク先はこちらをご覧ください。
●青森県:青森県環境パートナーシップセンター 有谷さん
今年の夏の猛暑でホタテの8,9割とほぼ全滅してしまった。大きな影響が出ている。求人率が全国最低という事情もある中、温暖化による影響が出てきている。実行力+法的拘束力のある法律の早期成立のためみに、政治イニシアティブを期待している。

●宮城県 高田さん
自治体と共同で計画づくりを行っているが、基本となる国の政策が固まらず困っている。国としての全体像がないと自治体が進められないことが多い。

●栃木県:MAKE the RULEとちぎ 小田さん
法案は早く通してグローバル・エコ・スタンダードを確立してほしい。県内では集中豪雨による死者、熱中症による影響もある。経験値で対応できない事象がおこっている。

●神奈川県:MAKE the RULEかわさき 井坂さん
やらない言い訳はたくさんあるが、やるべきことは分かっている。神奈川県の様子をみると、国の動向を見ながらとなっていて、具体策に入れない。効果的に削減するためには何よりも国の方針を示すことが必要。

●東京都:日本ソーラーエネルギー教育協会 白井さん
世界が日本の動向をみている。方針をしっかり固めて示してほしい。柱が決まれば進められるはず、次世代のためにもしっかりした柱を望む。

●東京都:足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ 田中優さん(※呼びかけ人)
無利子で融資して省エネ冷蔵庫の買い替えをする事業を、税金に頼らずやっているが大きな成果が出ている。温暖化対策を進めるために必要な自然エネルギー、省エネルギー、電気自動車、そしてIT、みんな日本が得意なものばかり。日本にかけているのはグランドデザインであり、つまり政治の責任だ。

●愛知県: 林さん
CBD-COP10ではたくさんのNPOが参加し、産業界や政治に任せることなく動いていた。NPOとしても政治にまかせっきりにするのではなく、動いていきたいと思っている。

●京都:くらし市民ネット 高谷さん
市民は本当の排出源がわからないままはいずりまわっているのが現状。実現させる力をもつ市民として、これからもがんばっていきたい。

●京都:地球温暖化防止京都ネット 右衛門佐さん
南方の虫が繁殖し、木の虫食いが進み立ち枯れが始まっている。9月には京都府と京都市共同で全国初の条例が公布された。目標値も明文化している。今後も地域でも活動していきたい。

●大阪:大阪府民環境会議 山口さん
府との共同行動でマイカー削減や公共交通の利用促進をしているが、府レベルではできないことも多い。国の政策もしっかりしてほしい。

●岡山:おかやまエネルギーの未来を考える会 廣本さん
環境教育にも関わっているが、子供を不安にさせない行動をとるよう、大人としての責任を果たしてほしい。また地域は国の目標が出ないと動けなくなってくる。国会は厳しい状況だと思うが、基本法案はぜひとも取り上げてほしい。

●沖縄:気候アクションセンターおきなわ 長田さん
基本法案は理念を踏み出すもの。やらない理由はいくらでもあるが、新しい理念をもちしっかりやってほしい。現在地域計画の改定に関わっているが、国の方針がない中地方はこれでよいと思ってしまうので、しっかりネジをしめなおして新たな方向性でやってほしい。ガバナンスが重要。

●神奈川県:かながわ環境市民ネットワーク
川崎市が25%削減目標を打ち出すなど、神奈川でも温暖化対策の機運が高まっている。国の基本法の早期制定を望みます。

●和歌山県:わかやま環境ネットワーク(メッセージ)
和歌山県ではいま地域実行計画の策定が進められているが、積極的な削減目標の記載については「国で25%削減が決まっていないこと」が産業界からの反対の理由になっている。基本政策が決まらず腰がすわらないことが、地方における温暖化対策にも大きく否定的な影を落としている。これ以上時間を無駄にしないため、基本法が必ず今国会で採択されることを望む。

●熊本県:環境ネットワークくまもと(メッセージ)
子供たちに胸を張れる基本法を一日も早く成立させることは、大人の責務。大人に未来を守るゆうきがあることを、子供たちに今示してください。

続いて全国で活動する団体の方からメッセージがありました。
●新日本婦人の会:安達さん
早期の実現のネックとなっているのはねじれ国会であること、企業の反対であろう。原発ナシでは低炭素社会像が描けないという声も聞くが、果たしてそうだろうか?暮らしの中で多くの異変を感じており、たくさんのアクションをやっているしこれからも続けるつもり。まず骨組みとしての基本法案成立を願いたい。

●環境文明21 藤村さん
基本法案は温暖化のありようを決めるもの。前提条件を含めて、審議を真剣にして成立させてほしい。また「実効性」と発言する国会議員が多くいたが、幅広いNPO/NGOの声を取り上げ反映させてほしいと願う。

●WWFジャパン 池原さん
排出量の8割は企業と公共部門が排出しているが、逆に見れば削減のカギとなるポテンシャルを秘めている。しかし現状では、頑張りすぎた企業が損を する可能性があり、企業は思い切った環境対策に踏み出すのがむずかしい。経済的手法を導入することで、企業が頑張った分トクするようになれば 25%削減にも大きく貢献できるだろう。

●FoE Japan 中根
私たちFoE(フレンズ・オブ・ジ・アース)ネットワークには途上国の団体も入っており、すでに温暖化の影響を受けている。貧困+温暖化の影響で苦しんでいる。こうした国々に対し、日本は先進国として歴史的な責任は大きいはず。きっちり国内での削減を実現するために、基本法案の成立をしっかりとお願いしたい。

会場は定員を超える100名近い方が集まり、資料をお配りできないかたもいらっしゃいました。大変失礼いたしました。
MAKE the RULEキャンペーンでは、こうしたたくさんの声を受け、今国会で一日も早く審議が開始され、温暖化対策基本法案が成立することを望みたいと思います!

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