◇“25%以上削減”を国内で確実に達成させよう! MAKE the RULE議員会館内勉強会2010 第1回 エネルギー基本計画について

イベント開催日

2010-05-13

◇“25%以上削減”を国内で確実に達成させよう! MAKE the RULE議員会館内勉強会2010
第1回 エネルギー基本計画について
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日時: 5月13日(木)14:00~15:30
会場: 参議院議員会館 第1会議室
講師: 小西 雅子氏(WWFジャパン気候変動プロジェクトリーダー)
     伴 英幸氏(原子力資料情報室共同代表・事務局長)

◎講演で使用した資料は★こちらのページ★からご覧いただけます

MAKE the RULEキャンペーンでは、温暖化対策の中期目標として2020年までに90年比25%以上の削減を国内対策で確実に実施していくために、現在審議中の「地球温暖化対策基本法案」をこの通常国会において実効性の高い内容で制定し、温暖化対策を前進させたいと考えています。
これに向けた議員会館勉強会シリーズの2010年度第1回目は、エネルギー基本計画について扱い、国会議員秘書、政策関係者、メディア、一般参加者、総勢約50名が参加しました。

最初に小西氏より「エネルギー基本計画について」と題し、今回の改定に対して提言をいただきました。日本がどういうエネルギーで進んでいくのか示したエネルギー計画は、温暖化対策を示したのと同じ重要性があり、温暖化対策、気候安全保障という視点が重要です。

小西氏からは、特に6つのポイントについて指摘がありました。
1.気候安全保障の視点、エネルギー需要減の観点の欠如
2.原発への明らかな依存:原発の数値目標明示に対し、再生可能エネルギーの明示的な数値目標なし
3.石炭火力発電所の依存過多:このタイミングで化石燃料利用の拡大を明記するのはどうなのか?
4.再生可能エネルギー目標の明示を:エネルギー安全保障の観点からも純国産エネルギーとして大幅に確保すべき。
5.需要側対策の重点に疑問:エネルギー消費が多い産業部門の対策に関する記述量と質に比べ、家庭部門の対策にウェイトが重くおかれ過ぎ
6.エネルギー政策と気候変動政策の関係性:国民運動は詳細を記述しているのに対し、政策の実現手法については具体的な記述なし。日本企業が権益確保した自主開発資源を含め「自主エネルギー」としているが、相手国の政治状況なども考慮せずに「自主エネルギー」とすることに意味があるのか?

エネルギー政策が気候変動政策を左右しかねないという関係性を考えると、現在のエネルギー基本計画が気候変動の観点からは非常に頼りないものであるという問題提起がされました。

続いて伴氏からは「エネルギー基本計画と原子力発電」としてお話がありました。
原発は厳格な管理のもとで核分裂させた熱を利用し、この過程で常に放射能が排出されます。熱が電気にかわる割合は31%で、LNGによる複合発電の56%に比べ効率が劣りますが、効率改善はできないそうです。また核分裂の段階では、ここまでなら我慢できるという「摂取限度」の3,200兆倍の放射能が生成されますが、この危険度がウランと同程度に落ちるまで10万年くらいかかるそうです。
日本には現在54基の原発があり、沖縄を除く10電力会社の発電量の20%程を占めます。加えて2030年までに14基増設としていますが、すでに計画されている原発でも、その多くは未だ建設に至っていません。

エネルギー基本計画では“ゼロエミッション電源”である原子力を「基幹」エネルギーとしていますが、次の理由から数年は全く効果が期待できません。
まず新設ですが、そもそも原発を新設するのは電力需要の増加に備えるためとしていますが、販売電力量の増加に対し最大電力需要は1993年からほぼ横ばいです。もし最大電力需要が増えないとなると、課題の多い原発建設には経営的にも懸念が残ります。仮にすべての問題点をクリアし建設に至ったとしても、環境影響評価に2年、設備設置許可申請に2年、建設に5年と、運転開始まで最低9年かかり、実際にCO2削減効果を期待できるのは9年後になります。
既存原発については、設備利用率が2003年から低下していますが、原因の多くは不正が明らかになった、地震による安全確保など、やむを得ない理由による運転停止です。定期検査の間隔延長や電気出力の5%増大などの方策を新しく導入していますが、対応にはシステム変更、工事、燃料交換などが伴い実施までには数年かかりそうです。

こうした現状を紹介したのち、伴氏は「原子力に依存したベストミックス、CO2削減策には効果が期待できない。短期間で効果が期待できる再生可能エネルギーや省エネ対策に予算をつけ、拡大したほうが環境適合型電源になる」と述べました。

残念ながら衆議院の本会議と時間が重なり、今回は議員本人の出席がなかったのですが、温暖化対策と表裏一体のエネルギー政策をしっかりした内容ですすめるために、引き続きMAKE the RULEキャンペーンは審議を見守っていきたいと思います。

小西氏
伴氏

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