緊急集会「このままでは公約違反だ!地球温暖化対策基本法」

イベント開催日

2010-03-10

 3月10日、政府で検討中であった「地球温暖化対策基本法」に関し参議院議員会館において、緊急集会「このままでは公約違反だ!地球温暖化対策基本法」を開催しました。会場には多数の市民や、政党を超え多くの国会議員にご参加いただきました。
 はじめに、実行委員会事務局長である平田仁子さんより本集会の趣旨と基本法への要望が説明されました。基本法は政権交代時のマニフェスト内容よりも後退しており、このままでは内容のあるルールが出来ないのではないかとMAKE the RULE実行委員会は危惧しています。そして骨のある基本法となるよう求めた要望書が政府を代表し田島一成環境副大臣、福島瑞穂少子化・消費者担当相/社民党首に渡され、お二人より基本法に関してコメントを頂きました。

田島一成 環境副大臣
 論点は絞られてきており、今までになかった取組で前進していきたい。様々な団体、業界からの反対の声も受け止める中で、みなさんに納得いただける法案作りに取り組んでいる。後世に後悔を残すような法律にするわけにはいかない。25%削減の実行性をどのように担保するのか基本法で定め、その先のロードマップに反映できるような下地を基本法に盛り込みたい。

福島瑞穂 少子化・消費者担当相/社民党党首
 今、基本法案が大詰めを迎えている。大きく2つのポイントがある。25%削減のために原単位等でなく実効性のある中身を作ること、原子力の位置づけをどのようにするのか。原子力の位置づけについてどのように書くのかについては協議中であり、原子力以外の位置づけは大臣レベルで協議をしている。内閣の中でみなさんの声が反映されるように努力していきたい。

その後、基本法への要望内容を4点に絞り各NGOの代表者から説明されました。

☆ FoE Japan 瀬口亮子さん:「25%削減への条件付け」 について
 現在の法案は2020年の目標について「全ての主要国が温室効果ガスの排出に関する意欲的な目標について合意したと認められる場合に設定される」とある。つまり国際合意がなければ日本は中期目標を設定しない、と読める。中期目標は2050年80%削減の通過点として設定されているはずであり、2012年以降の道筋を一刻も早く示すべきである。25%は無条件かつ国内対策を中心としてなされるべきである。

☆ WWFジャパン気候変動プログラムリーダー 山岸尚之さん:「排出量取引制度の論点」について
 排出量取引制度については「総量方式」とするか「原単位方式」とするかが論点となっている。我々は総量に規制をかける「総量方式」であるべきと考えている。原単位方式は、製品1単位当たりの排出量を規制するものであり、同じ量を生産するには良いが、生産量を増やせばその分排出量も増えてしまう。これでは全体として排出量が増加することを容認する排出量取引制度になってしまう。NGOが排出量取引をサポートするのはしっかりと排出にキャップがかかるからであり、もし、排出量が増えるなかで25%を守る必要がある場合には増加分は日本の誰かが変わりに負担しなくてはならない。これが意味するところを皆さんに考えてほしい。

☆グリーンアクション アイリーンスミスさん:「原発の推進」の問題について
 原子力の推進は温暖化対策に役立たないだけでなく、逆効果である。1990年以来日本の排出量が増えた最大の原因は電力部門の石炭利用であった。原発には巨大なバックアップ電源が必要であり、石炭がそれを果たしている。温暖化対策に必要なのは即効性、低コスト、低リスクな対策であり、原子力はまったく当てはまらない。原発はリードタイムが長く、排出削減が真に必要なこの10年を失われた10年としてしまう。原発コストはますます上昇しており、再生可能エネルギー導入を妨げ、しなければいけない即効性のある対策を遠ざけてしまう。原発で温暖化対策を推進することは、既存の古い施設の稼働率を上げる必要があり非常に危険である。原子力を推進するほど温暖化対策は後退する。

☆環境エネルギー政策研究所所長 飯田哲也さん:「再生可能エネルギー制度と目標の弱体化」について
 大きくは良いことをすると言いつつ、中身で骨抜きにされている構図である。自然エネルギー目標値の10%の中に既存の自然エネルギーが盛り込まれることになりそうである。また全国のエアコンやヒートポンプからの熱を集めて再生エネルギーとしようとしている。すなわち既にあるものをかき集めて積み上げ、新規のものは3-4%程度と中身を抜かれている。昨年、日本は23兆円の化石燃料を輸入している。経済的、社会的にも非常に脆弱な社会であり、再生可能エネルギーを増やす必要があるところを骨抜きにされている。
 さらに法案には50年前の「経済調整条項」というものが突如入った。自民党時代ですら入っていなかった条項で、経済に影響がある場合およびエネルギー供給に影響がある場合は環境対策をとるな、というものであり、これを許せば自民党よりも昔に戻ってしまい政権交代の意味を問われる。

なお、この緊急集会の様子はビデオニュース・ドットコムの以下のサイトでご覧頂くことが出来ます。
http://www.videonews.com/

35万人の声を聞いて!と訴える平田仁子MAKE the RULEキャンペーン実行委員会事務局長
シロベエ実行委員長より要望書を田島副大臣に手渡しました
キャップをかけることが重要と訴えるWWFジャパンの山岸さん

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